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コル・レオニスを抱いて
―雨宵星―
自主制作乙女ゲーム
SAMPLE.1
先輩と一緒に受け持った、初めての調査依頼。
2日前に仕掛けた防犯カメラとGPS絆創膏によって、嫌がらせをおこなっていた犯人は無事判明した。
14時に事務所を訪れる予定の御津瓦さんに調査結果報告をおこない、報告書を渡すことでこの依頼は完了したことになる。
煌子
「ハーゲンゲッツはやっぱ美味しいですよね~♪」
心斗大雅
「何でお前がそれ食おうとしてるんだよ」
煌子
「え? だってこれ……所長が『今回の案件、お疲れ様。2人で食べて』ってくれたやつじゃないですか」
心斗大雅
「うっせえ。そのアイス寄越せ。限定の味だろ」
煌子
「あああああ!」
まだ一口も食べてないのに!
煌子
「お願い、せめて一口……っ」
私は先輩を押し倒さん勢いでハーゲンゲッツアイスめがけて突撃した。
心斗大雅
「うお!?」
2人
「…………」
わ、私の一張羅(制服のブラウス)の襟に……アイスが……!
はあ、と先輩は深い溜め息を吐き、先輩はテーブルの上にあったおしぼりを手に取った。
心斗大雅
「ガキかよ」
そう言って、彼は私の襟を軽く引っ張っておしぼりでポンポンとシミ抜きをしてくれる。
煌子
「ど、どうもありがとうございます」
心斗大雅
「これ、クライアントへの報告終わったらすぐに洗濯しろ。そうすりゃ多分、シミ残らないで済むから」
煌子
「は、はーい」
心斗大雅
「ったく。ていうか、ハーゲンゲッツを所長に買いに行かせるとかあり得ないだろ。パシリの分際で、所長をパシるとか……」
ぶつぶつ言ってるけど……先輩……。
いかんせん顔が整ってらっしゃるから、さっきから心臓がめっちゃ速くなってたりするんですが。
……くそっ。ちょーっとイケメンだからってっ。
???
「あら、お邪魔だったかしら?」
心斗大雅
「あ?」
煌子
「え」
声がした方を見ると、苦笑気味の所長とクライアントである御津瓦さんがいた。
煌子
「ぬあ!」
私は思いきり飛びすさった。